親の近くに住む近居によるメリットとは

昨今では減少傾向にある同居ですが、親とともに生活することには多くのメリットがあります。二世帯分の食事をまとめて作ることで、食費の節約が可能ですし、家事や育児のサポートしあうことも可能です。

しかし、価値観や生活リズムの違いからいざこざを生んでしまったり、プライバシーが充分に確保できなかったりと言ったデメリットがあります。親世帯よりも子世帯がストレスを感じることが多く、特に嫁姑関係にある子世帯の妻はその傾向が顕著です。

近年、増加傾向にある「近居」とは、親子二世代が徒歩で行き来できる程度の距離、いわゆる「スープの冷めない距離」にそれぞれの住居を構えることを指します。
近居は全ての生活を共にするのではなく、お互いに助けが必要な場面のみサポートすることができるため、プライバシーを保ちながら適度なつながりを持ち続けることが可能です。

親世帯は、病気や怪我の際に子世帯が近くにいる安心感を得ることができます。また、孫の学校行事に参加するなど、部分的な関わり方も可能です。
子世帯は、待機児童が多く保育園に入ることができない場合でも、親世帯に子どもの世話を任せて共働きできるなど、経済面、生活面でメリットを感じることができるでしょう。

近居や隣居といったゆるやかなつながりを持つ家族のことを「見えない家族＝インビジブル・ファミリー」と呼び、新しい家族形態として浸透しつつあります。
見えない家族は、同居とは別のかたちで援助し合うことができます。二世代揃っての外出する時のためにミニバンなどの大型車を購入したり、両世帯で子どもの勉強机を購入するなど、今までにない消費が注目されています。

インビジブル・ファミリーのメリットは、情報共有がしやすい点にあります。たとえば、親世帯と離れて住んでいると、子育てに関する知識や情報を身近な人から得られないため、自分の子育てに自信が持てない人が多いですが、近居では判断に迷った時にすぐに相談できる環境があります。
また、親世帯も孫の七五三や入学式などのイベントに参加できるなど、孫の子育てに気軽に関わることができるメリットがあると言えるでしょう。

適度な距離感を保ち、互いをサポートし合うことができる近居には、たくさんのメリットがあります。一戸建てを購入する際は、近居を選択肢に入れることをおすすめします。