住宅ローン控除も有利になる低炭素住宅とは

低炭素住宅とは、二酸化炭素排出量の削減に配慮したエコ住宅を指します。高い断熱性や省エネ機器の設置で、光熱費などのランニングコストを抑えられる特徴もあります。近年では使用エネルギーの可視化など、様々な技術が開発されています。

平成24年に施行された低炭素建築物認定制度によって、低炭素住宅は住宅ローン控除の優遇などが受けられるようになりました。条件を満たせば、一戸建てだけでなく、マンションでも優遇を受けることができます。

低炭素住宅と認定されるためには、建物の断熱性能が省エネルギー法に基づく省エネルギー基準と同等以上を満たすことと、消費電力が省エネ新基準よりもマイナス10％以上である必要があります。 以上に加えて、二酸化炭素削減に貢献する設備の設置などの8項目から2つ以上を採用する必要があります。その8項目は以下になります。

・節水に関する機器の設置
・雨水、井水、雑排水の利用
・HEMS、BEMSの設置
・定置型蓄電池の設置
・一定のヒートアイランド対策を講じている
・住宅の劣化軽減に資する措置を講じている
・木造住宅もしくは木造建築物である
・高炉セメント等を使用している

HEMSとは「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム」の略で、前述した使用エネルギーを可視化するための機器です。HEMSを通してPCやタブレット、スマートフォンなどでどの電化製品がどれくらい電力を消費しているかチェックできます。
BEMSは商用ビル向けの可視化システムを指します。

住宅ローン控除は、返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅の新築または増改築等をした際に、居住を開始した年から10年間、一定の住宅ローン残高を所得税額から控除する制度です。
年間最大控除額は一般の住宅が400万円なのに対し、低炭素住宅は500万円と優遇されています。

その他にも、金利優遇として住宅ローン【フラット35】の金利が10年間引き下げられる、【フラット35】Ｓ（金利Ａプラン）の適用が可能です。

なお、これらの待遇を受けるためには、低炭素住宅認定とは別に、以下の要件を満たしている必要があります。

・その者が主として居住の用に供する家屋であること
・住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
・床面積が50m²以上あること
・店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
・借入金の償還期間が10年以上あること
・合計所得金額が3,000万円以下であること

※2021年9月時点の情報